森友学園問題「安倍首相は猛省を」 名指しで批判決議、大磯町議会

10/4(金) 5:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 安倍晋三首相に猛省を求める-。森友学園問題を巡り、神奈川県の大磯町議会は3日の本会議で、こんな決議案が賛成多数で可決された。自民党系や公明党の“与党議員”も賛成し、歴代首相が別邸を構えた地の議会が現役首相に手厳しい意見を突き付けた格好だ。首相を名指しで批判する決議は、全国でも例がないという。

 町議会が賛成12、反対1で可決したのは、「内閣総理大臣 安倍晋三衆議院議員に猛省を求める決議」。学校法人「森友学園」を巡る決裁文書改ざんで大阪地検特捜部が財務省幹部を不起訴としたことに対し、「安倍首相への忖度(そんたく)に感じられるのは私たちだけでない」と批判。「政府を監視し、不正や疑惑を解明する任務を負っている」とし、首相に国会議員としての責務に専念するよう注文を付けた。

 提出者の柴崎茂氏は、台風15号による千葉県の停電に触れ「深刻な被害の中で内閣改造を行った。安倍首相は庶民のことをどれだけ考えているか。地方議会も見ているという姿勢を示したい」と説明。公明の奥津勝子氏は「自公政権ではなく安倍首相個人への批判で、私個人の思いとして賛成した」と話した。

 町議会局によると、他自治体の議会でも森友学園問題に絡み疑惑解明を求める意見書を採択したケースはあるが、首相個人を批判する決議は例がないという。

神奈川新聞社

 

 

 

時代の正体 安倍政治を考える
「自分の保身ばっかり」 保釈1年、籠池さんに聞く

時代の正体 神奈川新聞  2019年05月30日 11:00



 学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長(66)の保釈から今月25日で1年が経過した。現在、国や大阪府大阪市から補助金をだまし取ったなどとして詐欺と詐欺未遂の罪で公判中で、29日には大阪地裁に出廷した。保釈1年を契機に今月、東京と横浜で講演会とシンポジウムを開いた籠池前理事長が、神奈川新聞社のインタビューに応じた。穏やかな口調からあふれたのは、かつては“蜜月”関係だった安倍晋三首相への不信感だった。「民のことを考えず、自分の保身ばっかりだ」

 「世の中というのはそんなに大きく変わっていない」。2018年5月25日、保釈後の記者会見でこう述べたという。当時、表面上は世の中に変化はないように思えた。だがよく見れば、決してそうではないと感じ始めている。

 「水面下での『水かき運動』は激しい。現政権に対するいやらしさというか、『嫌だ』という感じが(人々の間で)すごく大きく噴出してきて、もう少しで活火山が爆発するころかな、と思っている」

 安倍政権への支持を支えるものは「錯覚」と断じる。「安倍さんに任せておいたらいいんじゃないのとか、うまいこと進んでいるとか。(安倍首相自身も)統計問題の不正でも、官僚を動かしてうまいこと資料を作ってごまかした」。だが、ごまかしもきかなくなってきているように思える。「民の直感力で、これはまずいんじゃないかと。官僚は国民のしもべだが、安倍政権の下僕ではない。心ある官僚はたくさんいる。政治家でもだれかが口火を切ってくれないか、という思いがあると思う」

 

 

かごいけ・やすのり 学校法人森友学園前理事長。1953年生まれ。家業倒産後に大阪に移り、83年奈良県庁退職。高松市出身。